コラム男の介護

いろうについての議論②

 

 現在、私(67歳)の母(88歳)は、特別養護老人ホームに入所中で、昨年末より3回入退院(原因は発熱・誤嚥性肺炎)を繰り返しました。入院時、医師よりその都度「今後の事を考えたら“いろう”の設置を考えては。家族で相談して欲しい。」との申し出がありました。
 
 私には、弟(61歳)が1人いますが、色々と相談し、今後母が口より食事を摂取出来なくなると、延命措置として“いろう”を考えなくてはなりません。医師より、設置後の療養生活については、近日中に特別養護ホームの相談員、ケアマネージャー、作業療法士、栄養士、看護師等を含め医師と話し合いを持てるよう依頼しています。
 医師からの具体的な方向指針があればいいのですが、おそらく何もないであろうと思います。すべては、家族に判断を求められることでしょう。


 先日のコラム「男の介護」にTAさんが投稿しておられたように、医療、行政、また外国からの提言もなく家族の判断次第という状況をみても、終末期医療については考えさせられます。
 最近では、書籍において、中村仁一氏の「人往生したけりゃ医療とかかわるな」また、長尾和宏氏の「自然死のすすめ(“平穏死”の10の条件)」等、終末期ケアの指針が述べられています。最終的には、家族の判断になるのでしょうが・・・・。


 「男性介護者のつどい」の仲間にも相談をし、その中の1人の方から次のような意見をお聞きしました。その方は年齢(71歳)奥様を18年間介護し、既に“いろう”を設置し、「“いろう”を設置するか否かは、年齢を考え80歳を超えているのであれば、食事時に口元へ食事を持って行った場合、本人の食に対する意欲があれば口を空けるでしょうが、空けないという状況であれば色々な状態を考え、“いろう”という延命治療の設置を考えなくてはいけない。この“いろう”という治療をしなければ、自然死へと移行することになると・・・。」

 書籍、先輩介護者のお話を元に、私は“いろう”について家族と相談して結論を出さなければいけないと考えています。



S・Eさんからのおたより

(更新:2012/11/21)
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