コラム男の介護

介護生活13年を迎えて


私が男性介護者としてデビューしたのは24歳の時でしたので早13年目を迎えております。
この13年間を振り返ると周囲の人々の助けや助言など多くの人に支えられてきたことに感謝してなりません。その介護との関わりを立ち止まり、振り返りと私自身の人生に大きな影響を与えるものであったとしみじみと感じます。

母子家庭に育ち、長男であった私は母親(当時50歳)がくも膜下出血で倒れると必然的に介護者の役割を様々な場面で社会から要求され、否応なしに受け入れざるを得ない状況に追い込まれました。覚悟を決めその役割を受け入れるとそこから私の生活は一変していったことを覚えています。その生活の中で、多くの壁に衝突しながら必死で這い上がってきました(今もそうですが)。
特に当時は若かったこともあって、友人たちからは人生を楽しんでいる様子、仕事も充実、そして結婚というおめでたい話も入ってきました。それに比べて私は…と悲観的になったことも事実です。それが理由で友人との関係を自分から断ってしまったこともあります。今となっては良い経験です。それと今思うとその時、私の心が折れず自分を支えられ続けたのは「介護は何らかの形で巡ってくるもの」「同世代の人より少し早く経験しているだけのこと」と自分を励まし続けることができたからだと思います。

私の介護体験は在宅において身体介護をするということではありませんが、病院、施設、病院、療養型医療施設、広島から大阪への移送などの体験を通して考えたことや克服したこと、今現在抱えている悩み等について介護当事者同士で意見交換をしたいと思い入会を希望しました。


大阪府 武田卓也さんよりおたより。

(更新:2012/05/02)
コラム一覧へ

戻る