コラム男の介護

介護者に高く、多い再就労へのハードル

介護者に高く、多い再就労へのハードル~一人では過ごせない、どこにも行けない妻

3年半前の平成18年11月、発症後4年後ぐらいでの初診で、アルツハイマー型認知症と、衝撃的な診断が下されました。ともに長年営んできたコンビニ業、58歳の妻にそれは無残、無念な宣告でした。それからはともに交わす言葉数は少なく、妻の担ってきた人手の補充を賄えず、閉店を余儀なく、その準備に向かいました。そして閉店後、服用のアリセプトの副作用かと思ったほど、症状が急に進行し、私自身の鬱症状(疑)も。要介護度3。地域の介護教室、幾多の介護家族と本人へのミニデーの会、藁にすがるが如く、多くに参加し、多くのアドバイスをいただきました。公園、イベント、テーマパーク、小旅行と色んな所に出かけました。実業コンビニ業のために、何もしてあげられなかった今までを取り戻したいと。でも、それもその時だけの気休めであっても、そのときが満たされれば。「きょうどこも行かなかったっけ?」「○○○に行って来たよ」「ふう~ん。何にも覚えてない(沈み込んで)」
男介、主夫(国語辞典にはありません)としての、三食の支度、片付け、買い物、洗濯、掃除、着付けの補助などをしながらも、長年男として社会に係わってきた自分自身が失われていくことに閉塞感の思いが常に離れず、一年半前にヘルパー2級を取得し、介護との両立をと、就活をしてきました。現実は多くのハードルが立ちはだかっていました。男性、66歳、未経験、介護の間を縫っての時間、勤務日と。だんだんと、両立は無理かなと思うようになりました。3ヶ月前、ハローワークから電話を頂き、面接。居宅介護しながらである事に理解を頂き、「無理のないとことからやっていきましょう」と受け入れていただけました。男性障害者宅への家事、身体、行動支援、ガイド支援などの欠く当事者によって異なる対応が求められるヘルパー業務をオートバイを乗り回してやってます。「今日、こんな仕事やってきたよ。」「ふうう~ん、お父さん仕事やってるの?」
妻はデー施設でのカラオケメニューを生き甲斐に笑顔で元気な毎日。介護度見直しで今要介護1に。
私はおやじの会でのビールと談笑を支えに、明日も。

(更新:2010/05/27)
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