コラム男の介護

介護保険施設の食費の是正を

京都市 田村権一 60歳 (実父の介護)

 平成17年10月、介護保険制度が改正され、食費と居住費は基本的に利用者の自己負担となりました。介護施設と利用者の契約事項です。
 現在、私の父は介護保険施設のショートステイ(短期入所介護)を利用しています。当施設では食事1食しか利用しない日であっても1日分の食費を徴収されます。すなわち1食でも3食でも1日1,380円の食費です。これは、常識的にも、社会通念上考えても、食べてもいない、提供されてもいない食費を徴収されていること事態、不可解であり、理解できず、納得できません。(病院施設では1食ごとに設定されています)
 厚生労働省のQ&Aには「食費は1食ごとに分けて設定することが望ましい」という見解を明らかにしています。また京都市および府も同様の見解を示しています。しかし、施設を指導しきれていないのが現状です。
 私の調査では伏見区内のショートステイの施設20件のうち7件が食費を1食ごとに分けています。常識的な適正な運営をしている施設は3分の1と言うのが実態です。京都市内、府内では利用者と施設との適正な契約が行われているのでしょうか。はなはだ疑問を感じます。
 厚労省の見解にあるごとく、食費を1食ごとに分け、提供したものに対し請求する、利用したものに対し支払うという、ごく当たり前の適正な契約が実施されるように役所の指導と施設事業者の是正を期待します。
 因みに月2回のショートステイ利用で年間約2万円の無駄な出費になります。全国的には年間延べ360万人が利用していますから約30億円のムダな経費になります。もっと介護サービスを有効に使うべきです。

(追記)
 私は介護施設に改善を申し入れ1年間以上交渉をしていますが、いまだに改善されていません。その間にはいやがらせもありました。これが介護施設の実態です。
 できない理由を尋ねても、はっきりした回答はありません。行政の指導もない、法律に触れてもいないから取れる所からとる。これでは大阪府知事の言う「ぼったくり」です。社会福祉の理念を思い起こしていただきたい。
 介護保険の効率化により食費と居住費が給付対象外になり、自由化(市場化)され、ホテルコスト並みになってきています。利用者にとっては大きな経済的負担です。必然的に限られた費用のなか、介護の質と量を落とさざるを得ません。
 介護保険および介護環境の不備、問題点を介護者が積極的に声を挙げ、共有化し、改善していく介護者の運動が今、必要ではないでしょうか。
 介護者はもっと声を挙げましょう!!

(更新:2009/12/28)
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